本の発売日と奥付にある発行日にズレがある、というのは何も出版に興味がある人でなくても気づくことかと思います。
それは制作された本の鮮度を保つ工夫であり、出版業界の慣習のようなものです。
[発売日]と[発行年月日](全国出版協会HPより)
上記のコラムにあるように、流通にかかる時間や再販制度などを考慮した慣行なのですが、
では間に取次や流通がほとんど介入しない電子書籍の場合はどうなるのでしょうか?
情報の鮮度が売りの週刊誌やビジネス書などはこの慣行に則ったほうが良いのかもしれません。
しかし、それ以外の書籍ではそこまで問題にならないように思います。
さらに言えば、電子書籍の性質から一度公開・流通した書籍を、ちょうどソフトウェアやアプリをアップデートするように
製作者が更新することもできるはずで、そうした場合発行日というのは今以上にあやふやなものとなります。
生え際では現在、原則的に「発行日=発売日(頒布日)」としています。
もともとは文学フリマでの冊子の無料頒布から始まったので、流通・小売販売を考慮していなかったわけです。
今回、電子書籍を制作するにあたってそこを改めて考えた結果、どうせなら変えずにいこうと決めました。
電子書籍を取り巻く出版・流通の方法もそれを許してくれる以上、今までの活動の延長線上という意味も込めて当面は
このまま続けようと思います。
もちろん、今後制作していくものによってはその限りではないかもしれません。
(ザック石橋)